Photo: 「無敵の心身」
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忘却
原田宗典という作家の「スメル男」という小説があります。其れには、あまりにも頭が良過ぎて一度覚えてしまった事が忘れられない少年が出てきます。
しかも、痛さ、辛さ、悲しさという感情さえも忘れる事が出来ずに、どれほど時が経ったとしてもまるで今起きているかのように感じてしまうのだそうです。

人間は忘れる事が出来るから生きていけるのではないでしょうか。

この少年のような人間が、もしこの世に存在するとして、果たして気も狂わずに生きていけるものでしょうか。

否。

生きていけるはずがないと私は思います。

今まで私が感じてきた「痛さ」「辛さ」「悲しさ」をまったく忘却の果てに押しやる事は出来ぬとしても、記憶にある其れ等は薄れていくものです。胸の奥がチクリとしたり、ぞわっとしたりすることはありますが、気が狂うほどのものではないでしょう。

あの時に感じた感情たちは、もう少しでも続いていたら発狂していたかもしれない事ばかりです。
ですが長く続くものではなかった。
だから狂わなかった。
だから私は生きている。

逆に「快感」などはどうでしょう。
其れも続くと心に悪影響を及ぼすような気がしています。
しかし永遠に幸福が続くわけではない。
だから真実はどうなのかは分らない。
ただ、矢張り「不快感」が永遠に続くのと同じ結果になると私は思います。

恐らくどちらもなくてはならない感情なのでしょうね。
平和だけを願うのと同じ事で。
平和だけの世界では駄目なのと同じ事で。

何と矛盾に満ちた我々だろう。
何と矛盾に満ちた世界だろう。

そんな世界に私は住んでいるのです。
私はそんな矛盾に満ちた世界をこの上なく愛しております。
「スメル男」を読むきっかけを与えて下さった方も心からお慕いしております。
有難う御座います、この小説を教えて下さって。
心から感謝しております。
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